サイレンを鳴らした救急車が交差点で右折をしようとしているにも関わらず、走行する車が止まらず、交差点に入ってから実に15秒以上もの間、立ち往生してしまうという衝撃の動画が波紋を呼んでいます。
現場はどんな場所?なんで緊急車両なのにあんなにも停まらない車が多いのか?
何十年と館林市に住む筆者も疑問に思う動画だったので、現地で検証してみました。
- 話題の動画はこちら
- この動画が撮影された場所はどこ?
- Twitterのコメント
- 山本知事もコメント
- 現場はどんな場所?現地で検証
- 群馬県民、館林市民は運転マナーが悪いのか?
- サイレンの鳴る救急車に道を譲らなかった場合どうなる?
- まとめ
話題の動画はこちら
なぜ止まらない?
— 指揮統制SC (@Direction__SC) August 9, 2020
特に最後の軽。危なすぎる pic.twitter.com/Rs9Xgnhk1R
令和2年8月9日に投稿された動画ですが、テレビ朝日のモーニングショーやネットニュースなどでも取り上げられ、8月15日時点で316万回再生5.3万リツイート、11.5万件いいね。となっており大変話題となっています。
この動画が撮影された場所はどこ?
この動画撮影された場所はこちら
館林地区消防組合から約100m、国道354号に抜ける際の「つつじが岡入口」交差点。
この現場は館林ICから直接降りて約2km直進した場所にあります。
館林消防組合は2020年4月に庁舎が移転されたばかりの新庁舎で、地元でももしかしたら知らない人もいるくらい新しい庁舎となっています。
国道354号線は群馬県高崎市から茨城県鉾田市を繋ぐ、とても交通量の多い4車線の幹線道路道路で、館林市民ももちろん使いますが、当然、市外ドライバーも多い道路です。
Twitterのコメント
・こうした人達があるから、助かる命も助からなくなる。
・救急車が来ているのに止まらないドライバーは「人殺し」です
・これはもうモラルのレベルじゃ無くて交通違反事案
・信じられない!なんで止まらないの?
・館林?群馬ってこういう所なんだ?
・救急の機関員やってますが、大体どこもこんなですよ。
・対向の通行ではサイレンが聞こえるのですが、直交の通行は意外に聞こえません。
どれもこれもごもっともな意見で、地元の館林でこのような事が起きてしまった事は非常に残念でなりません。
山本知事もコメント
この事態を受けて山本知事もTwitterで下記のようにコメントしています。
動画に映っているのは館林消防の救急車のようです。県民の皆さん、緊急車両には道を譲っていただくようお願いします。!人の命がかかっています!
現場はどんな場所?現地で検証
実際にこの動画が撮影された場所に行ってみました。
交差点10m手前の様子
Twitter上でも現地を確認した方がいて、交差点10mくらい手前の位置から撮影したような写真が出回っていました。
確かに、この位置からは、視界を遮るものはなく、車道から見ても交差点で止まる救急車に気が付かないという事はなさそう。
やっぱり運転手達が100%悪い!と結論付けるのは簡単ですが、この写真を撮影したのは交差点から10mほど手前の位置です。
この道路の制限速度は60km/時で、仮にこの位置で気づいたとしても0.6秒で交差点に進入してしまう計算となります。
ここから救急車に気づいて、急ブレーキをかける方が危ないと思うので、そもそもこの位置からの見え方で論ずる事自体がナンセンスだと思いました。
交差点50m手前の位置
上の写真は交差点の西側約50m位置から撮影した写真です。この写真から分かるように救急車が顔を出しても手前のケヤキが視界を遮っています。
見えない訳ではないですが、西側からだと、緊急車両の発見が遅くなりそうな位置関係にあると思われます。
上の写真は交差点から東側約50mの位置から撮影したもの。こちら側だと、ケヤキが手前にあるものの、この位置からでもはっきり確認できます。
そう考えると撮影者のツイートのコメント通り、動画の左側から右側に通行する最後の軽自動車は運転マナーが悪質と言えるかもしれません。
群馬県民、館林市民は運転マナーが悪いのか?
今回のこの動画の取材の中で、JCASTニュースでは下記のように報道しています。
撮影者
「普段から、止まらない車は散見されますが、10台以上も止まらずに通過するのは今回が初めて」
館林地区消防組合
「消防本部全体でも、ドライバーのマナーが大きな問題になっている訳ではない」
確かに、群馬県は車がなければ生活に困ってしまうほど車社会が浸透している地域です。歩行者や自転車よりも車の走行を優先してしまうような節もあります。
ただ、私自身何十年と館林市で暮らしていますが、当然、緊急車両の音に気付いた時点で、車は寄せて、停止はしますし、いままで、サイレンの鳴った救急車が、あんなにも長い時間、交差点に入れない状況は見た事がありませんでした。
館林市民なので、贔屓目にみてしまうところもあるかとは思いますが、一応、群馬県・館林市の名誉のためにこれだけは伝えたいのですが、群馬県・館林市民が特別マナーが悪いという訳ではありません。
サイレンの鳴る救急車に道を譲らなかった場合どうなる?
「道路交通法第40条 緊急自動車の優先」の違反となり、行政処分として違反点数1点、反則金は普通車で6,000円、反則金の納付を怠ると、50,000円以下の罰金刑を科せられる可能性があります。
(緊急自動車の優先)
第四十条 交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
まとめ
確かに私自身、車社会の一員なので、、緊急車両のサイレンが聞こえにくい、見えにくいために、聞き逃す、見落とす状況もよくある事だという事は非常に分かります。
ただ、1秒でも早く対象者の所に駆けつける事で助かる命がある。
緊急車両の通行を優先させる事は人の命を助ける事。
そう考えれば、運転者は常に救急車が来ているのに止まらないドライバーは「人殺し」となってしまいます。
ドライバーの皆さんはその事を再認識して、今後も優良な運転をしていきましょう!
※緊急車両を優先しないマナーの悪いドライバーがいるので、みんなで気を付けましょう!という教訓の動画のはずが、なぜか、○○県はこんなこと一切ありません、とか県民性、地域性をバカにするコメントが多く見られたので、記事にしてみました。