群馬県指定重要文化財・ぐんま絹遺産に登録されている「旧上毛モスリン事務所」
館林市出身の文豪田山花袋が幼い頃住んでいた「田山花袋旧居」
が敷地内にある第二資料館(群馬県館林市)を紹介したいと思います。
利用案内
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日
休日の翌日、年末年始
入館料:無料
電話番号:0276‐74‐9665
アクセス:
【鉄道】東武伊勢崎線「館林駅」下車徒歩15分
【自動車】東北自動車道「館林IC」から約10分
住所及び地図
群馬県館林市城町2番3号
施設概要
敷地面積:3702.70㎡
管理棟:鉄骨平屋建52.0㎡
旧上毛モスリン事務所:木造瓦葺2階建(延470.41㎡)
田山花袋旧居:木造茅葺屋根建(71.94㎡)
開館:昭和56年(1981)12月1日
旧上毛モスリン事務所
群馬県指定重要文化財【昭和53年(1978)10月13日指定】となっています。
上毛モスリンって何?
モスリンとは細い単糸を使った平織りの布のことですが、
上毛モスリンとは館林周辺の伝統的な技術の機織り業を生かして明治35年(1902)に設立された上毛モスリン㈱という会社の事。
この事務所は上毛モスリン㈱が今のゆめひろばの地へ明治41年~43に新工場を建設をした際に、一緒に建築されました。
その後、上毛モスリン㈱は時代の機運に乗って大きく成長を遂げますが、関東大震災などの影響等を受け破綻してしまいます。
その後、建物は共立モスリン㈱、日本毛織㈱、中島飛行機、神戸生糸㈱と使用者を変え、地域の発展に大きく寄与してきました。
昭和53年(1978)には工場の一部が市庁舎建設地となったタイミングで事務所が館林市へ譲渡。昭和54年(1979)現在地に曳き移転され、昭和56年(1981)に第二資料館として開館しました。
ドラマのロケ地としても
その可愛らしいきれいなクリーム色とピンクの建物は
ドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」
という前田敦子さん主演のフジテレビ系ドラマ(2011年7月~9月放送)で桜咲学園の学生寮として使われました。
今も、その桜咲学園グッズが大切に保管されて一部展示されています。
白を基調とした内壁と赤絨毯が上品
折階段は西洋建築の特徴
白を基調とした内壁に赤い絨毯がなんとも上品でオシャレな空間です。
機織り機械の展示
上毛モスリン㈱時代の粗紡機、精紡機は会社の倒産とともに処分されてしまったようですが、昭和22年から工場を引き継いだ神戸生糸㈱が使っていた制糸関係の機械が今でも残されています。
日清製粉グループの創業者正田貞一郎氏使用馬車
日清製粉グループの創始者である正田貞一郎氏が鳥取県の会社の農場の場内視察を行う際に使用していたとされる馬車が展示されています。日清製粉㈱館林工場で保管されていましたが、その後館林市へ寄贈され、修復されたものだそうです。
ちなみに正田貞一郎氏は皇后美智子様の祖父にあたる方で、館林市の名誉市民第一号に選ばれた方です。
田山花袋旧居
館林市指定史跡【昭和46年(1971)5月1日指定】
館林出身の文豪田山花袋の旧居
茅葺屋根が特徴的なこの建物は田山花袋【1871~1930】が7歳から14歳までのおよそ8年間過ごした家。昭和56年に保存と活用を目的としてこの場所に解体移転されました。
田山家は元々武士の家系で、この建物も、旧秋元藩時代の武家屋敷のひとつです。
田山花袋の主な代表作は「蒲団」「生」「妻」「田舎教師」「緑」。特に「蒲団」は日本の自然主義文学の方向性を決めた作品と言われています。
上毛かるたにも「誇る文豪田山花袋」として登場します。
館林かるたにも登場。
外にも魅力がいっぱい
受電室の壁
旧上毛モスリン㈱の工場内の受電室の一部。のこぎり屋根の工場の中にひときわ高くそびえていたシンボル的な建物だったと言います。レンガ造りの壁と御影石の屋根の破風がなんとも特徴的。
館林城の石垣
館林城の二の丸、三の丸などから出土したお城の石垣の一部が展示されています。
上の写真の石は「間知石(かんちいし)」石垣に組み込まれている四角錘形の石で四角の部分が石垣の表面に出ます。
上の写真の石は「角石(かくいし)」直方体の形をしたこの石は石垣の隅角に使われていました。
まとめ
館林の産業の近代化を支え、群馬県指定重要文化財にも指定されている旧上毛モスリン事務所、館林藩時代の武家屋敷で、館林出身の文豪田山花袋の旧居など、館林の産業の歴史や文化を知る上で重要な施設となっている第二資料館。秋の時期には紅葉も大変きれいですので、是非一度見学しにきてみて下さい。